トピック
●サンゴ礁での生息環境
●クマノミ・イソギンチャク専門店のこだわり
●ハタゴイソギンチャクについての誤解
●二枚貝の海水浄化
●底砂の撹拌
●海藻・海草で水質浄化
●栄養塩類が少ないサンゴ礁に、なぜ多種多様な生物が高密度で生息しているのか?
●マングローブで水質浄化





●サンゴ礁での生息環境

生息水深や流れの強さなどの生息環境の情報は、サンゴ礁の海の構造・特徴を理解しなければ、単に生息水深5mという情報を得ても、その水深が[リーフの内(中)]なのか[リーフの外]なのかによって全く環境が異なるので、あまり意味はありません。
[内(中)か?外か?]さえ分かれば、生息環境を知る重要な情報は得られると言ってもよいほどです。

画像は石垣島の最北端の灯台からの撮影で、この日はけっこう時化ています。
[リーフの外]は沢山の白波が立っていますが、[リーフの内(中)]はそれほどでもありません。
水路は奥に行くほど波が穏やかになっています。
[リーフの内(中)]の深みには、若干、白波が立っています。
水路からは[リーフの外]の海水が流れ込みますが、[リーフの内(中)]の奥に行くほど流れ込みは少なくなります。
波や流れの強さはそれぞれの場所で様々です。
リーフ内外の海水の混ざり具合で水質もそれぞれの場所で様々です。

[リーフの外]の環境は、([リーフの内(中)]と比較して、)
流れは、寄せては返すトルクフルで複雑不規則。
水質は、河川・湧水・降雨からの流入による、栄養塩類や透明度を下げる不純物などの影響が少ない。
水温は、夏は涼しく?冬は暖か?で、表層と深部の水温差が少なく、年間や一日を通しても、その日その日の天気に左右されることなく、変化が少ない。

主に[リーフの外]に生息している生体は、([リーフの内(中)]に生息している生体と比較して、)
水流は、不規則で強く
水質は、比重安定、貧栄養塩
水温は、安定
を好むと考えられます。
ですが・・・
[リーフの外]は、当店で扱っているソフトコーラルやイソギンチャクなどの生息密度は低いので、[リーフの外]で採取されている生体は少ないです。
ほとんどの生体は、生物層の豊富な[リーフの内(中)]と関わっているような場所で採取されています。



【ページトップの目次へ戻る】



●クマノミ・イソギンチャク専門店

・全てハンドコートです。

当店のイソギンチャクは、全てハンドコートで採取されています。
「ハンドコート」とは、東南アジアで行われている薬物で弱らせて岩から剥がして捕まえる方法でなく、くっついている岩を削ったり、ヘラなどで剥がして捕まえる方法の事です。
手間と時間はかかりますが、生体への採取ダメージが少ない方法です。

同じハンドコートのイソギンチャクと言えど、業者や漁師によって、捕り方や丁寧さは大きく異なります。
ハンドコートのイソギンチャクなら、どれでも同じように丁寧に採取されているという訳ではありません。

当店では、特に採取の難しいハタゴでも、触手が一本も千切れないくらい丁寧に採取されます。
海中という悪条件下での慎重な作業ですので、その丁寧さや状態の良否は、道具や海況次第というよりも、採取する人の性格に左右されます。

採取後は、個体ごとに入れる容器を分けて運搬されます。
採取・運搬のダメージは最小限でイケスに移されます。
トリートメントはほとんど必要なく、
翌朝には海中にいる時と変わらないくらいフワフワの状態で即出荷できるくらいです。

・全て自家採集です。

誰が何処でどのようにして採取したのか分からないような個体はありません。
常に同じ者が同じ手法で採取しているので、品質基準が一定しており、個体ごとの状態の善し悪しなどのバラツキが少ないです。
(他に採取を依頼した物。他から仕入れた物はありません。)

・クマノミとイソギンチャクを共生させてストックしています。

イソギンチャクは、伸びたり縮んだりしながら、
・体内に新しい海水を取り込んだり、体内の老廃物を出したりしています。
・受ける光の具合を調整しています。
クマノミが触手の中を動き回ることでマッサージのような効果でそれらが促進されます。


・天然海水・太陽光でストックしています。

天然海水に含まれる様々な微生物・微量元素や、太陽光に含まれる紫外線の殺菌作用など、
どれほど良質の人工海水や高性能な照明でも適わない、言葉や数値では表せない、自然の力の下でストックしています。
【石垣島の天然海水】・・汲みたて、航空便発送

■取扱い商品は、漁業権,有資格,公的許可の下、法令や規則を順守し採取され販売する正規の品物です。
・権利:共同漁業権、特定区画漁業権(権利主体:漁業協同組合)
・資格:漁業協同組合正組合員
・許可:沖縄県漁業許可
<正規品・産地証明書>


※無資格無許可の密漁品や出所不明な産地偽装品にご注意ください!



【ページトップの目次へ戻る】



●ハタゴイソギンチャクについての誤解

ハタゴイソギンチャクはいろいろ誤解されています。

一つに「ハタゴは弱い・難しい・水質水温変化に敏感」という風評が多いです。
これは完全に誤解です。

ハタゴは、干潮時には干上がってしまう所にもよく棲んでいます。
そのような所の水温は、夏は35℃を軽く越えるお湯のようにもなりますし、冷たい15℃以下の北風の吹く冬の干潮時は、外気温と同じくらいまで下がります。
浅い所ほど、年間を通しても、一日の中でも、水温の変化は激しいです。
その差は、最大20度以上あります。
雨が降れば、比重は激変しますし、栄養塩もたっぷり流れ込みます。

それでも、ちゃんと生きて棲んでます。
もしそれがイヤなら移動すれば良いのに、ずっとそこにいるということは、ハタゴにとってはそんなにたいしたことではないのかもしれません。
ハタゴと共生する、カクレも同じです。
どういう訳か、「ハタゴは、水質水温変化に敏感だ!」だと思われているようですが、こんな環境に好んで棲んでいるのに、とてもそうとは思えません。

(干潮時には干上がる)

しかし、毒性や粘着力が強い為、採取や取扱が困難な種類でもあります。
丈夫ですが、扱い方が難しい為、
採取~問屋~小売店~顧客の流通過程で不慣れな者に何度も剥がされたり触手を千切られたりなど、
イジクラレスギテ状態が悪くなるケースが多いようです。
よほど慣れた者でないと、刺されないようにするのが精一杯でしょう。

環境変化には強いですから、ストック中や輸送中の水質・水温の変化で状態が悪くなるというケースは実は少ないです。
(極端な話、バケツで1~2日放置しても、弱った様子はありません。)



【ページトップの目次へ戻る】



●二枚貝の海水浄化

海水の富栄養化の抑制・透明度の向上・コケの抑制等に効果のある【ウミギクガイ・クロチョウガイなどの二枚貝類】は、海水中の有機物を濾しとり食べて、海水をろ過・浄化する働きがあります。

食べられない物は粘液でからめて体外に捨てます。
それは海水に溶け込まずに沈殿したり浮遊してプロテインスキマーや物理濾過で除去しやすくなります。

実験しました。
米のとぎ汁を混ぜて待つだけです。
結果は見ての通りです。
個体差や水温などの条件にもよりますが、大きい個体・種類ほど、能力が高そうです。



左からシレナシジミ・ウミギクガイ・サルボウ

約10分経過 シレナシジミ優勢
ウミギクガイ・サルボウはほぼ互角

約20分経過 透明に!


海水浄化の仕組みを簡単に説明すると、
・海水に溶け込んでいるフンや残りエサなどの有機物を二枚貝が吸い込んで食べる。
または、
・フンや残りエサなどの有機物はろ過バクテリアによって、チッソ・リンなどの栄養塩となる。
・栄養塩と光で、植物プランクトンが増える。
・その植物プランクトンを吸い込んで食べる。
結果↓
・フンや残りエサなどの有機物は二枚貝の栄養・体となる。
・富栄養化(栄養塩)の抑制・透明度の向上・コケの抑制

※植物プランクトンとは、簡単に言えば浮遊するコケ(藻類)のようなもので、小さすぎて肉眼では見えませんが、栄養塩と光があれば発生し倍々的に増えます。(コケがはびこるのも同じような理由)



【ページトップの目次へ戻る】



●底砂の撹拌


底砂の撹拌の重要性を解説・理解する為の、極細の砂で構成される藻場の画像です。
山のように盛り上がっているのは、砂中に棲む何らかの生物の巣穴です。(おそらくアナジャコ類の巣穴)
構造は、墳火山と同様です。
嫌気層より掘り出されて間もない頂上周辺の砂は黒っぽい色をしています。
掘り出されしばらくすると、好気性の砂になり白くなります。
この山自体も、台風や時化などの強い水流によって崩れ、生物はまた新たな山を築きます。

画像は極端な例ではありますが、このように海底の砂は、常に生物や波・水流により撹拌され少しずつ嫌気層と好気層が入れ替わっています。

水槽内の底砂も【砂中に潜って移動するタイプやトンネルを掘るタイプのクリーナー生体】を導入して撹拌・循環させましょう。
水槽でよく用いられる極細の砂は通水性が悪い上、撹拌・循環が不十分で表層まで嫌気化しやいです。
表層まで嫌気化すると、嫌気層に溜まったよくない物が、僅かなことで一気に放出されやすくとても危険です。



【ページトップの目次へ戻る】



●海藻・海草で水質浄化

海藻・海草は、チッソ・リンなどの栄養塩を栄養元にして成長しますので、成長した分をトリミング(伸びた分を切り取る)すれば、結果的に水槽内の栄養塩を減らし水質を浄化していることになります。

水槽内の余ったスペース・濾過槽・サンプ内にでも、とりあえず入れておくだけでメリットがあると思います。
当店もそうしています。

特に、【アマモ(海草)】は頻繁に新芽を出し落葉する代謝が非常に盛んな生物です。
代謝が盛んであるということは、水槽内の栄養塩を減らす効果が高いということになります。
自然界では枯れ葉は、微生物が分解し自然に帰りますが、水槽内では枯れ葉を取り出すことで、結果的に水槽内から栄養塩を取り出せることになります。


・アマモの枯れ葉
枯れ葉の原料は、水槽内の栄養塩。
枯れ葉を捨てれば、水槽内から栄養塩を出すことになる。
10株もあれば、毎日のようにどれかの株から新芽が出て、古い葉が枯れ葉となります。
枯れ葉があるのがなぜかうれしくなる?



【ページトップの目次へ戻る】



●サンゴ礁の海は栄養塩類がとても少ないにもかかわらず、なぜ多種多様な生物が高密度で生息しているのでしょうか?

その問いの答えの一つに「養分を得る手段」と「養分を循環させる仕組み」があります。

これらをごく簡単に説明すれば、
「養分を得る手段」として、サンゴやイソギンチャクは動物であるのもかかわらず光合成により養分を得ること。

また、「養分を循環させる仕組み」は、
栄養塩類が少ない→プランクトンが少ない→透明度が高い→光合成がしやすい→光合成より得た養分の余剰分は、サンゴやイソギンチャクの粘膜や糞として排出される。→粘膜や糞は、幼生や微生物などの養分となり排出され徐々に微細化する。→最終的にバクテリアによって分解され栄養塩類に戻ります。
このようにして、少ない養分を多種多様な生物間で循環させながら無駄なく利用しています。

通常、養分の生産者は植物であり動物は消費者でありますが、サンゴ礁の海では動物であるサンゴやイソギンチャクが養分の生産を担っています。



【ページトップの目次へ戻る】



●マングローブで水質浄化

マングローブに限りませんが、草木はチッソ・リンなどの栄養塩を栄養元にして成長しますので、水槽で草木を育てることで水質浄化に役立てられます。

海水水槽で草木を育てる場合、塩分に耐えるマングローブを使います。

本格的に干潟を再現するような水槽を立ち上げる場合は別として、
既存の海水水槽で育てる場合、直接底砂に植えるには水深が深すぎてマングローブが水没してしまいます。

しかし、マングローブは土なし・花瓶でも育てられるので、
例えば簡単な方法として、ペットボトルを加工した花瓶にマングローブを挿して、花瓶は吸盤や何かで水槽に固定する・・・等のやり方もあります。
種子の半分以上が水面上に出るようにします。

成長は遅いですのでどれほど水質浄化の能力があるかは「?」ですが、海水水槽で「木を育てる」ということがおもしろいと思います。

【マングローブ詳細説明】


当サイト内の全てのコンテンツ(文章・画像・動画等)の転載転用禁止